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東京都立多摩図書館

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クローバー概要

雑誌の特性を活かしたサービスを行う「東京マガジンバンク」と、都内の子どもの読書活動を推進する「児童・青少年資料サービス」のふたつの機能を柱にサービスを展開してきた東京都立多摩図書館が、平成29年(2017年)1月に国分寺市に移転オープンしました。「東京マガジンバンク」は、公立図書館として国内最大規模の雑誌約17,000タイトルを、また児童・青少年資料は、子どもの読書活動推進の拠点として約22万冊を所蔵しています。
閉架書庫にある、雑誌の創刊号約7,100誌をベースとした創刊号コレクションや、明治大正期の貴重な児童書コレクション、ドキュメンタリーや文芸作品などさまざまなジャンルを揃えた16ミリ映画フィルム(約9,400巻)、小説家・劇作家の故山本有三氏の貴重な旧蔵書(図書約13,500点、雑誌約300誌)を保管した山本有三文庫(書庫)も特徴的です。
いたるところに地元多摩産の材木があしらわれている館内は、隣接する武蔵国分寺公園の豊かな自然と調和するように、森の中の本棚といった趣をたたえ、快適な読書時間を提供しています。

施設概要

 床面積  8,982㎡

◆蔵書数

 雑誌  約18,600誌 (うち児童・青少年雑誌約960誌)
 新聞  約190紙 (うち児童・青少年新聞29紙)
 児童資料  約190,000冊
 青少年資料  約 30,000冊

クローバー 施設

東京都立多摩図書館は、平成29年(2017年)1月、JR中央線・武蔵野線の西国分寺駅徒歩7分の場所に移転開館しました。受付で入館証を受け取れば、自由に資料を閲覧することができます。調べたいことや探している資料について、専門の司書が相談にのるレファレンスサービスや館内の資料のコピーサービス(ただし、著作権法の範囲内)も行っています。
館内は、週刊誌や総合誌などの一般雑誌のほか、学術雑誌や入手困難な日本各地の地域情報誌など、さまざまなジャンルの雑誌を取り揃えた「雑誌エリア」、中高生を中心とした若い世代が楽しめる本や学習に役立つ資料を約20,000冊揃えた「青少年エリア」、子どもの本について研究した資料などを約10,000冊揃えた「児童研究書エリア」、約14,000冊の絵本や物語などの児童書を揃えた「こどものへや」のほか、蔵書検索やインターネット閲覧、30種類を超す各種オンラインデータベースも利用できます。
持参のパソコンなどは、閲覧席またはカフェで利用が可能で、FREE Wi-Fi&TOKYO(無料無線LAN)も利用できます。

フロア図③

(左)総合案内。入館の際はこちらで入館証を受け取ってから入館する。セミナールームの予約もここで取る。(右)資料お渡し・返却カウンター。蔵書検索やインターネット閲覧パソコンの利用予約もできる

(左)総合案内。入館の際はこちらで入館証を受け取ってから入館する。セミナールームの予約も受け付ける。(右)資料お渡し・返却カウンター。オンラインデータベースやインターネット閲覧パソコンの利用受付もできる。

(左)蔵書検索・インターネット。蔵書検索、インターネット閲覧と30種類を超える各種オンラインデータベースが利用できる。(右)グループ閲覧室。グループで図書館の資料を使い、調べものをする部屋です。貸切利用することも可能。(申込み受付は1カ月前から前日まで)

(左)蔵書検索・インターネット。蔵書検索、インターネット閲覧と30種類を超える各種オンラインデータベースが利用できる。(右)グループ閲覧室。グループで図書館の資料を使い、調べものをする部屋。貸切利用することも可能(申込み受付は1カ月前から前日まで)。

展示エリア・展示ウォール。多摩図書館所蔵の資料を使って常設展示やテーマごとの企画展示を行う

展示エリア・展示ウォール。多摩図書館所蔵の資料を使って常設展示やテーマごとの企画展示を行う。

青少年エリア 中高生を中心とした若い世代の利用者が楽しめる本や、学習に役立つ2万冊におよぶ資料が展示されている

青少年エリア。中高生を中心とした若い世代の利用者が楽しめる本や、学習に役立つ2万冊におよぶ資料を揃えている。

(左)こどものへや 絵本や物語、知識の本、外国語の児童書など約1万4千冊の資料を揃えている。(左)えほんのこべや 読み聞かせを楽しめる「えほんのこべや」。書庫には明治・大正期の貴重な資料も多くあり、国立国会図書館や他県にも所蔵のない児童書も

(左)こどものへや。絵本や物語、知識の本、外国語の児童書など約1万4千冊の資料を揃えている。(右)えほんのこべや。読み聞かせを楽しめる。書庫には明治・大正期の貴重な資料も多くある。他県にも所蔵のない貴重な児童書も。

セミナールーム。多摩産材を使用し、音の反響を考慮した壁は、機能性とデザイン性の両方を確保しいて、解放感のある空間。申込み可能

セミナールーム。多摩産材を使用し、音の反響を考慮した壁は、機能性とデザイン性の両方を確保している。解放感のある空間。有料の貸し出し施設。


クローバーここもポイント!~東京マガジンバンクとして

雑誌エリアには、館内中央の低い棚に日本語の雑誌が1,080タイトル、壁際に洋雑誌が411タイトル揃えられています。日本語の雑誌は、女性誌108タイトルに加え、来るオリンピックに向けてスポーツ誌、さらに世界を紹介する世界の地域情報誌を重点的に陳列しています。
また開架書庫にある約4,500タイトルの雑誌は、最新号から過去1年分のバックナンバーまで自由に閲覧可能です。
なお閉架書庫には、明治から現代まで100万冊を越えるバックナンバーと、約7,100タイトルを集めた「創刊号コレクション」が揃えられています。古い雑誌も合本していないので、紙質や色などを通して当時をしのぶことができます。

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クローバーここもポイント!~明治大正期の貴重な児童書コレクション

閉架書庫には、ウォルター・クレインによる挿絵の『長ぐつをはいたねこ』(1873年)や、『カチカチヤマ』(1911年)などを含む『日本一ノ画噺(えばなし)』シリーズなど、明治大正期に発行された貴重な児童書が所蔵されています。現在の絵本の原型は19世紀半ばにイギリスで生まれたといわれています。多摩図書館に所蔵されている貴重書の多くは古書店から買い集められて大切に保管されているもので、それらの資料によって、子どもの本の歴史をうかがい知ることができます。
また、製作年月は不明ですが街頭紙芝居も所蔵されています。

クローバーここもポイント!~山本有三の旧蔵書を保管

小説家で劇作家の故山本有三氏(1887~1974年)の旧蔵書が書庫に保管されています。これは昭和50年(1975年)に山本氏の遺族から東京都に寄贈されたもので、氏が大正初期から晩年までに愛読し、趣味はもとより創作や調査研究に使用した文学、国語学、歴史を中心とした図書(和装本も含む)約13,500冊、雑誌約300誌が収蔵されています。芥川龍之介や志賀直哉らの自筆署名入り贈呈本をはじめ、氏自身による書き込みや国語国字に関する貴重な資料も閲覧可能です。

クローバーここもポイント!~16ミリフィルムを利用したイベントを開催

平成21年(2009年)に、旧都立日比谷図書館から、16ミリ映画フィルムおよそ9,400本が移管されました。「チャップリンの黄金狂時代」(1925年)や、美空ひばり主演の「たけくらべ」(1955年)をはじめとした劇映画から、東京の資料映画、ニュース映画など、そのタイトルは多岐にわたっています。
多摩図書館内にあるセミナールームで毎月第1日曜日と第3木曜日に定例映画会を開催するほか(平成29年度)、都立図書館所蔵の16ミリ映画フィルムを利用した映画会の開催を希望する都民の方を対象に、映写機の操作と映画会開催に必要な知識を学べる講習会も行っています。

クローバーここもポイント!~ユニークな館内展示

入館ゲートを入って左側にある展示エリアでは、多摩図書館で所蔵している資料を使った常設展示や、2~3カ月ごとに入れ替えるテーマごとの企画展示が行われています。2017年秋には、鉄道の魅力を「科学」「観光」「トレンド」「多摩」という4つの切り口から迫った企画展示「あなたの知らない鉄道!?」が開催され、好評を博しました。
また、資料お渡し・返却カウンター横の展示ウォールにも、おすすめの所蔵資料が並べられています。取材に伺った2017年9月は、雑誌『装苑』が、戦後に刊行されたバックナンバーから最新号までの各年の9月号が陳列されていました。『装苑』は、とある統計で10代前半の女性が読みたい雑誌1位に輝いた、ファッション誌の草分け的存在として知られています。
そのほか、書庫のエントランスホールに面したガラス壁面を利用して繰り広げられている、世界の昔話をテーマにした展示も注目です。これまで日本や東アジアの昔話関連の絵本を紹介し、2017年9月からは東南アジア・南アジアの昔話絵本や昔話絵本に関する研究書、昔話が載っている本を展示していました。最終的に、絵本で世界一周できるような展開を検討しているとのことです。

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雑誌『装苑』


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加藤里絵さん(左)と浅沼さゆ子さん(右)

クローバー図書館からのメッセージ
東京都立多摩図書館
課長代理(新聞雑誌担当) 加藤里絵さん

当館の2本柱のうちのひとつである「東京マガジンバンク」では、一般の図書館なら発行して10年ほど経ったら消耗品として廃棄する雑誌も捨てずに保管しています。また、書店などでなかなか目にする機会のない雑誌も置いてあります。もちろん、需要の高い雑誌を表に出すのですが、あまり認知されていない雑誌をあえて表に出すことで「こんな雑誌もありますよ」とお見せするような試みも行っています。書店とはまた違った陳列方法によって、来館者の方々の好奇心を刺激するお手伝いができるよう、努めていきたいと思っています。
さらに、「東京マガジンバンクカレッジ」と題しまして、雑誌の魅力を知ることのできるような講演会やセミナーなども随時行っています。「雑誌総合」「多摩」「鉄道」の3セクションを設けて、パートナーになっていただいた方に参画していただき、さまざまな角度からいろんな方と交流を深めていただけるような取り組みも、積極的に行っていきたいと考えています。

課長代理(児童青少年資料担当) 浅沼さゆ子さん

当館のもう一方の柱となっている「児童青少年資料」は、「こどものへや」に約14,000冊の絵本や物語などを、「青少年エリア」に中高生対象の本を約20,000冊揃えています。
お子さんに本に親しんでもらうために、小学生の利用者には本を1冊読んだり、お話会に参加したりしたら、1個ずつスタンプを押していくスタンプカードを渡しています。スタンプが10個たまったら職員手作りの小物がもらえるので励みにしてもらっています。
また、「青少年エリア」では、いろいろな興味関心から中高生が本を選べるよう、書架のわきでミニ展示をしています。当館のおすすめの本には紹介文を記載したしおりを挟む工夫も施しています。
そのほか、開架書庫には、学校図書館や公共図書館の選書の参考にしていただけるような選書コーナーを用意しており、閉架書庫には明治大正期の児童書も保管しています。子どもの読書に関わる方たちと直接やり取りできるカウンターも設けておりますので、担当専門職員による対応が必要な際にはお声がけください。


 クローバーEDITORIAL NOTE 古いものから新しいものまで、さまざまなジャンルの雑誌や児童書が揃う、おもちゃ箱のような図書館らしさを大切にする図書館

移転開館した東京都立多摩図書館は、まず木のぬくもりのあふれる空間が心地いい。そこに、古いものから最新のものまで、ありとあらゆるジャンルの雑誌や児童書が所蔵されており、まるでおもちゃ箱のような図書館となっている。
立川にあった前図書館から増床したこともあって、閲覧エリアと開架書庫に並べられた雑誌や本が増えたのもうれしいポイントだ。書店ではなかなか目にする機会のないような専門誌や地域情報誌との出会いは新たな知識の扉を開け、幼少時に愛読した絵本との再会にはノスタルジーを感じさせる。
読書愛好家には、ぜひとも閉架書庫の貴重なコレクションの閲覧も申し込んでほしい。明治大正期の雑誌や児童書は、まさに温故知新。どれも目を見張るものばかりで、知的財産となること請け合いだ。
活字離れが叫ばれる昨今だが、同図書館を訪れれば、紙媒体の魅力に気づくことができるだろう。(森中要子)


 ビル東京都立多摩図書館

利用案内
開館時間:月~金曜日10:00〜21:00 土・日・祝・休日10:00〜17:30
休館日:館内整理日(毎月第1木曜日 ※祝・休日またはほかの休館日にあたるときは第2木曜日)・設備等の保守点検日・年末年始・特別整理期間

アクセス
住所:〒185-8520 東京都国分寺市泉町2-2-26 地図
電話:042-359-4020
ホームページ:https://www.library.metro.tokyo.jp/