概要
中野区立中央図書館の前身、中野図書館は昭和23年(1948年)に開館しました。平成2年(1990年)、中野区まちづくり方針「もみじ山文化の森構想」に基づき、一時休館しましたが、平成5年(1993年)に中野区の生涯学習の拠点となる、もみじ山文化センター(なかのZERO)内に中野区立中央図書館として開館。中野区内にある区立図書館の中心的な役割を果たすとともに、地域の利用者の拡大に取り組んでいます。図書館施設はもみじ山文化センター本館の地下1階と地下2階の一部にあたりますが、吹き抜け構造や、隣接するもみじ山公園の景色が望める大きな窓によって開放感のある空間を創り出しています。
◆施設概要
構造 | 地上4階、地下3階建の地下1階と地下2階の一部 |
延床面積 | 4.480㎡ |
◆蔵書数(平成26年3月31日現在)
一般図書 | 355,914冊 |
参考資料 | 34,672冊 |
地域資料 | 23,773冊 |
洋書 | 9,405冊 |
児童図書 | 77,634冊 |
児童洋書 | 3,177冊 |
新聞 | 94紙 |
雑誌 | 577タイトル |
CD | 8,032タイトル |
カセット | 735タイトル |
レコード | 2,391タイトル |
ビデオ | 4,671タイトル |
DVD | 128タイトル |
教材用ビデオ | 700点 |
16㎜フィルム | 1,631点 |
デイジー図書 | 626タイトル |
施設

(左)靴を脱いで使用するカーペット敷きスペース。(右)おはなししつ。おはなし会は毎週水曜(15:15~)、第1~3週土曜(13:30~、14:30~、15:15~※小学生向け)、第4土曜(11:30~、13:30~、14:30~、15:15~※小学生向け)、第5土曜(14:00~、15:00~)に実施。赤ちゃんおはなし会は第3火曜(11:00)に実施
ここもポイント!~図書館へ誘う展示会と企画展
中野区立中央図書館では、図書館にもっと足を運んでほしいとの願いをこめて、毎年多くの企画を生み出し、さまざまな企画展や展示会を意欲的に行っています。個性づくり展示は第24回となり、現在は「ワークライフ支援」をテーマに、さまざまなITを使いこなすための「デジタルでわになる」を設置(写真左)。企画展は「おりがみのある暮らし」を開催。折り紙愛好家の山本愛子氏の作品を紹介するとともに、職員が作った作品をショーケースに展示(写真右)。折り紙関連図書のコーナーも設置しています。
ここもポイント!~見逃せない芸術作品
中野区立中央図書館を訪れたら、見逃せないオブジェがあります。それは正面玄関前に設置された石の彫刻「本を読む猫」(写真左)と館内の棚仕切りとして配されたステンドグラス(写真右)です。「本を読む猫」は関孝行氏の作品。猫が持っている本は右ページは魚の絵柄ですが左ページは骨だけとなった魚の絵柄になっています。左右のページの間になにが起こったのか、そのストーリーを空想させてくれます。ステンドグラスは原画・松橋博氏、制作・松本ステンドグラス製作所の作品。「混沌以前」と題された図案は地球黎明期の海と空の風景をモチーフとしています。全長31m×高さ930㎜の大きな作品ですが、8.5~100㎜幅にカットされた数千枚のガラスを連結して製作されたものです。
ここもポイント!~情報発信アイテム、中野区立図書館報「シイビブリア」
「シイビブリア」は、中野区立図書館が隔月1回発行している中野区立図書館の情報誌。タイトルは中野区の木の「椎の木」、そして図書館を表す「biblio(ビブリオ)」を合わせたものです。中野区の歴史や関連本の紹介など、中野区にちなんださまざまな情報が掲載されていて、読み物としても十分楽しめます。最新号(平成27年3月31日発行)は「中野ゆかりの経済学者・大河内一男と道徳感情論・国富論のアダム・スミス」を特集。表紙の裏面は単行本と文庫本サイズのブックカバーにできるのもユニークです。出版物としてISSNコードを取得しているので国会図書館でも閲覧することができます。
中野区立中央図書館の大きな特徴としては、行事や企画展示などの自主企画事業の取り組みを積極的に展開しているという点です。図書館を利用していない方に図書館の奥へ足を運んでもらうため、年間34本もの、幅広い年齢層を対象とした企画を生み出しています。
指定管理者導入以前に実施されていた事業についても、その内容をより専門性の高い、ブラッシュアップされたものに修正しながら継続していますが、それらに加え独自の新しい自主企画の行事や展示会を行っています。「京ことばで聴く源氏物語」や「作家講演会」「大人のための読み聞かせ講座」などのオリジナルの企画は好評を得ていますので、継続して開催していきたいです。
図書館には借りるだけではない楽しみもあります。その魅力を一人でも多くの方に知っていただきたいと思っております。現在、四つの中野区の商店街で出張図書館を開催しています。待っているだけではいけない、今後も図書館が外へ出向いていくことも強化していきたいです。これからも利用者の裾野をどうやって広げていくか、そして、より満足してくれるのかを長期的な展望で考えながら、利用者の方に親しまれる図書館をめざしていきたいと思います。
EDITORIAL NOTE 図書館にも登場!電子書籍スペース「なかの いーぶっく すぽっと」
中野区立中央図書館では、今年2月17日から電子書籍(約600点)の閲覧サービスがスタートした。都内でも稀なこの取り組みは、指定管理者である「ヴィアックス紀伊國屋書店共同事業体」が、凸版印刷の協力を得て始めた事業で、紙媒体を主に扱っている図書館に、電子書籍スペース「なかの いーぶっく すぽっと」が設けられたのだ。館内の専用タブレットや、自身のスマートフォン、タブレットなどで簡単な無線LAN環境(Wi-Fi)を設定すれば、館内の特設コーナーで電子書籍を閲覧することができる。この事業の目的は、地域住民の利用者の増加と、電子書籍の将来的なニーズを踏まえるための布石を打つことにある。著作権や版権など、クリアしなければならない問題もあるが、来館者にどのように活用してもらえるかということも課題である。名作文学だけではなく、手塚治虫の「ブラック・ジャック」などの人気コミックも閲覧できるのは利用者の間口を広げるための効果的な試みといえる。紙媒体から電子媒体へという出版事業の形態の変化に、迅速に対応しようとする図書館スタッフの熱意が伝わってくるようだ。(中嶌文庫)
中野区立中央図書館
利用案内
開館時間:月〜日曜日9:00〜21:00
休館日:毎月第2月曜日(祝日の場合はその翌日)※2月、6月、11月は第4月曜日・館内整理日(原則として毎月最終金曜日)・年末年始
アクセス
住所:〒164-0001東京都中野区中野2-9-7 地図
電話:03-5340-5060(電話応答サービス)、03-5340-5070(直通)
ファックス:03-5340-5090
ホームページ:https://www3.city.tokyo-nakano.lg.jp/tosho/index.asp