公益財団法人 日本交通公社 旅の図書館

外観

クローバー概要

公益財団法人 日本交通公社は1912年(明治45年)、「ジャパン・ツーリスト・ビューロー」として創業し、1945年(昭和20年)に「財団法人 日本交通公社」と名称を変え、その後1963年(昭和38年)、営業部門を「株式会社 日本交通公社(現・株式会社JTB)」として分離し、調査研究機関として新たなスタートを切りました。
「旅の図書館」は1978年(昭和53年)に(財)日本交通公社が開設した「観光文化資料館」を1990年(平成2年)に改称。2016年(平成28年)には日本交通公社ビルの新築に伴いリニューアルオープンした旅の専門図書館です。「観光はそれ自体が文化であり、その観光文化を向上させる」という開設当初の理念を継承しながら、「観光の研究や実務に役立つ図書館」をコンセプトに、(財)日本交通公社の研究本部が所有していた図書や報告書の一体化、独自の図書分類の構築、貴重な資料のデジタル化、学術ジャーナルの収集をしながら専門性・希少性の高い蔵書の公開に努めてきました。さらに、旬なテーマに詳しいゲストスピーカーを招いた研究交流会「たびとしょcafe」など、各種イベントの開催にも取り組んでいます。

◆施設概要

 ビル総面積  1,370㎡
 図書館面積  550㎡

◆蔵書数(平成30年3月31日現在)

 観光研究図書  9,500冊
 コレクション資料  26,000
 JTB関係資料  1,500冊
 統計・白書  3,500冊
 ガイドブック  6,500冊
 旅行商品パンフット(合本)  250冊
 時刻表・機内誌  6,000冊
 古書・貴重資料  2,300冊
(公財)日本交通公社調査報告書  4,000冊
 基礎文献  13,000冊
雑誌 19,000冊

クローバー施設

2016年(平成28年)にリニューアルオープンした「旅の図書館」は、東京メトロ銀座線、半蔵門線、都営大江戸線の青山一丁目駅から徒歩3分というアクセスが便利な場所にあります。1階受付カウンターで利用手続きをすれば、館内の資料は自由に閲覧することができます(地下1階は身分証明書の提示が必要)。1階の「ライブラリープラザ」では主に、公益財団法人 日本交通公社の刊行物や出版物、雑誌やガイドブック、新着図書など、観光の新しい情報を提供しています。地下1階の「メインライブラリー」には、観光研究・地域研究資料をはじめ、統計資料、学術誌、古書、ガイドブック、時刻表、国内外の航空会社の機内誌などの図書・資料を収蔵しています。ジャパン・ツーリスト・ビューローの雑誌「ツーリスト」、日本で最も長く続いた旅行雑誌「旅」のバックナンバーをデジタル化、申請すれば閲覧することが可能です。

1階◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

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(左)ギャラリーが併設されるエントランス。(右)受付カウンター

(左)ギャラリーが併設されるエントランス。(右)受付カウンター

(左)ライブラリープラザの閲覧席。(右)ガーデンラウンジ

(左)ライブラリープラザの閲覧席。(右)ガーデンラウンジ

(左)ガイドブックコーナー。(右)旅行雑誌コーナー

(左)ガイドブックコーナー。(右)旅行雑誌コーナー

B1階◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

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(左)カウンター。(右)閲覧席

(左)カウンター。(右)閲覧席

旅行研究のための資料を豊富に所蔵。研究雑誌コーナー(左)と観光研究コーナー(右)

旅行研究のための資料を豊富に所蔵。研究雑誌コーナー(左)と観光研究コーナー(右)

(左)観光団体情報誌コーナー。(右)古書貴重書コーナー

(左)観光団体情報誌コーナー。(右)古書貴重書コーナー


クローバーここもポイント!~蔵書の奥深さを紹介する企画展示

当財団の機関誌「観光文化」の特集テーマや連載などを合わせた関連図書コーナー(B1F)をはじめ、古書展示ギャラリー(1F)、さらに一度は読みたい観光研究書や実務書100冊が展示(1F)されています。また、定期的に開催されているイベント「たびとしょcafe」は、ゲストスピーカーを迎えて行う気軽な研究交流会で、テーマに関する蔵書も展示しながら、さまざまな人たちとの交流を推進しています。

古書展示ギャラリー(左)と一度は読みたい観光研究書&実務書100冊(右)

古書展示ギャラリー(左)と一度は読みたい観光研究書&実務書100冊(右)


福永香織さん(左)と大隅一志さん(右)

福永香織さん(左)と大隅一志さん(右)

クローバー図書館からのメッセージ

旅の図書館 館長 福永香織さん

「旅の図書館」は開設当時の「観光はそれ自体は文化であり、その観光文化を向上させたい」という理念を継承しながら、「観光の研究や実務に役立つ図書館」をめざしています。2016年(平成28年)の移転を機に、観光の研究者や実務者などが集まる空間づくりにも取り組み、「たびとしょcafe」の継続実施や特別展示を展開、ニュースレター「たびとしょ」の発行などを行っています。また、これからは地域ともネットワーク化を図り、さらに盛り上げていきたいです。今年10月で設立40周年を迎えますが、次の時代につながるようなことをやっていきたいと考えています。

旅の図書館 副館長 大隅一志さん

もともとは観光についての研究者としてスキー場や「道の駅」の計画などに携わってきました。図書館への異動は驚きでしたが、それまで外に向けてやってきたことが、ここで存分に発揮できればと思っています。この図書館のベースは「観光」ですから、1度来られた方のリピート率が非常に高いので、リピーターを対象とした、いろいろなイベントを練っていきたいです。一般者向けのイベントも大切ですが、当館は専門図書館なので観光研究者向けに対応したイベントにも力を注いでいきたいです。旅のプラットホームとして、みんなが繋がる場を提供していきたいと思います。


クローバーEDITORIAL NOTE① 「旅」のバックナンバーでタイムトラベル

かつては旅行雑誌といえば「旅」が最もポピュラーであった。
「旅」は日本の旅行雑誌としては最古の歴史をもつ。JTBの前身である日本旅行文化協会が1924年(大正13年)4月に敢行。創刊号には文豪・田山花袋も執筆者として名を連ねている。大正ロマンの真っ只中で新聞、書籍、雑誌が普及。また鉄道の創始から50年が経ち、観光旅行にも目が向けられる時代であった。
「旅」は太平洋戦争中は「旅行指導雑誌」という副題が付けられ、1943年(昭和18年)には一時休刊するが、1946年(昭和21年)に復刊。戦中の国策、戦後の復興、ベビーブームや高度経済成長、東京五輪や大阪万博など、社会の潮流や流行に即した旅行スタイルを提案してきた。また文芸誌としての役割を担い、1957年(昭和32年)には社会派推理小説の先駆けとなる松本清張の「点と線」を連載している。
残念ながら「旅」は2012年(平成24年)に休刊(当時の版元は新潮社)になってしまったが、「旅の図書館」には「旅」のバックナンバーがすべて揃っている。旅行スタイルは時代を象徴する。「旅」のバックナンバーを見ていると“タイムトラベル”しているような気になってくる。(上原由迩)

日本旅行文化協会が創刊した「旅」(右)。田山花袋が「旅の詩と歌と」を執筆(左)

日本旅行文化協会が創刊した「旅」(右)。田山花袋が「旅の詩と歌と」を執筆(左)

「旅」の1957年2月号(左)。松本清張の「点と線」の連載がスタートした(右)

「旅」の1957年2月号(左)。松本清張の「点と線」の連載がスタートした(右)

クローバーEDITORIAL NOTE1② 旅のスタイルを独自にプランニング

旅は、その土地ならではの美しい景色や美味しい酒や絶品グルメ、人々とのふれあいを通して、これまでの自分を見つめ直したり、明日からの日常を心豊かにしてくれる。だからこそ、いざ旅に出るのなら思いきり楽しく思い出に残るようないい旅にしたいものである。巷で見つけたガイドブックやインターネットを眺めながら、旅先を決めたり、まだ訪れたことのない土地に思いをめぐらせていくささやかな時間も、旅の魅力のひとつである。「旅の図書館」では、国内外のガイドブックや旅行雑誌だけでなく、なかなか閲覧することができない航空会社の機内誌や地域情報誌などの資料が揃うので、いろいろな角度から旅のプランを立てることができるので、旅への好奇心をさらに増幅させてくれる。かつて私は夏の旅行で福岡に出かけたが、その時は本屋に並ぶガイドブックから2冊を絞り込み、それを頼りにした。福岡ドームや中洲などの観光スポットをめぐり、それなりに楽しい思い出として今も心に残っているのだが、「旅の図書館」を訪れたことで、もっと違う角度から福岡を楽しめたのでなないかと気づいた。「旅の図書館」の穏やかな空間の中で、ゆったりと寛ぎながら旅行の計画を練ることは、これまでとは異なる旅の始まりを期待させる。(中嶌文庫)


ビル公益財団法人 日本交通公社 旅の図書館

利用案内
開館時間:10:30〜17:00
休館日:土・日・祝日、毎月第4水曜日、年末年始、その他

アクセス
住所:〒107-0062 東京都港区南青山2-7-29 日本交通公社ビル 地図
電話:03-5770-8380
ホームページ:https://www.jtb.or.jp/library

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